子宮頸がん検査で異常あった方へ

子宮頸がんの原因と成り立ち

検診などで子宮頸がん検査を受けたら、要精査と結果が届いておどろいた方も多いと思います。
実は、検査で異常がでてもほとんどの人はがんではありません。
検査の意味する内容についてご説明いたします。
 
 

 
子宮頸がんの原因はHPVというウイルス感染です。
このウイルスは性行為で感染するウイルスです。
HPVに感染してもほとんどの女性は自然治癒します。
しかし感染が慢性化してしまうと、がんへの道を歩み始めます。
すぐにがんになることはなく、まずは異形成という名前の病気になります。
進行度に応じ、軽度、中等度、高度と進んでいき、高度異形成からさらに一歩進んでしまうと子宮頸がんになります。
 
残念ながら、HPV感染を治す薬はありません。
薬がないので、自分の免疫力にゆだねるしかありません。
自然に治るのを待つか、手術で切除してしまうかの二者択一です。
 
手術が必要かどうかの基準はガイドライン(医師の治療マニュアル)で明確に決められていますので、どこの病院でも同じような説明を受けると思います。
軽度異形成であれば定期検査で様子を見るだけです。
高度異形成であれば手術となります。
中等度異形成は患者さんの状態により判断されます。
 

検査結果の意味

NILM
陰性で異常なしという意味です。
 
ASCUS
軽度異形成に近いけど、そこまで達していない場合や、正常か異常かの判断がプロの検査技師でも微妙なケース。
子宮頸がんの検査は細胞診検査といって、採取した細胞を検査技師さんが一つ一つ顕微鏡でチェックしていくという非常に原始的な方法で行われます。
細胞の形の見た目だけで判断しますので、プロの検査技師さんからみても決めかねるグレーゾーンが存在します。
正常とは言い切れないグレーゾーンのときにASCUSの結果となります。
HPV検査を受ける必要があるので、要受診や要精査の結果となります。
要精査の結果が帰ってきた人のほとんどがこのASCUSです。
 
LSIL
軽度異形成レベルの細胞がみつかったときにこの結果がでます。
精密検査を受ける必要があります。
 
HSIL
中等度異形成、高度異形成、あるいは0期の子宮頸がんが疑われるときにこの結果となります。
精密検査を受ける必要があります。
 
SCC
子宮頸がんそのものが疑われるときにこの結果となります。
急いで病院を受診してください。精密検査が必要です。
 
ASCーH
高度異形成なのか正常なのかどちらか判断が微妙なときにこの結果となります。
精密検査で白黒はっきりつける必要があります。
 
AGC
子宮頸がんの中でも腺細胞といわれる細胞の異常のときにこの結果となります。
正常な場合もありますが、子宮頸がんが隠れている場合もあります。
精密検査が必要です。