更年期症状でお悩みの方へ

更年期症状には個人差があり、早い人は40歳、遅い人では50代後半に自覚します。
ほとんどの女性が体験する更年期症状ですが、その程度には個人差があります。
厳密な治療の基準はありませんが、ご本人がつらいと感じている場合は、我慢なさらずに治療を受けることをお勧めいたします。
更年期症状を我慢されていた患者様の多くから、「こんなに楽になるのなら、もっと早く治療を受けていればよかった」とお言葉をいただくことが多いです。
まずは更年期指数を参考に、ご自身の程度を把握しましょう。
 
 
☆簡易更年期指数(SMI)

症状の程度に応じ、自分で〇印をつけてから点数を入れ、その合計点をもとに判断
します。

どれか1つの症状でも強く出れば「強」に〇をして下さい。
 


 
 

 

更年期障害の治療

治療法は、3種類あります。いずれの治療も保険適用です。


①女性ホルモン補充療法(張り薬と飲み薬)
女性ホルモンを薬として補う治療法です。ジェルや張り薬、飲み薬を使用します。

【長所】

治療効果が80%と高い。骨粗鬆症、高脂血症にも効果的。子宮体癌の予防、美肌効果がある。
【短所】

乳がんのリスクがわずかに高まるため、ホルモン補充療法前に乳がん検査を受けてから開始します。
その後も毎年定期的に乳がん検診を受ける必要があります。
しかし最近は乳がんのリスクが上がらないホルモン剤も発売されました。
副作用として、稀ではあるが、血栓症が起きうる。

※ホルモン補充療法を受けてはいけない人※
乳がん、子宮体がん、脳卒中、重症の肝障害のある人、血栓症 
※ホルモン補充療法を受けない方がいい人※
60歳以上の人、乳腺症、乳腺の良性腫瘍、高血圧、糖尿病、胆石症、片頭痛、高度肥満、タバコを吸う人


②漢方治療(飲み薬)
漢方薬による治療です。漢方薬の効き方には個人差がありますが、薬が合えば、劇的に効きます。

【長所】

副作用が少ない。飲み薬なので簡単。

【短所】

薬の効き方に個人差がある。


③プラセンタエキス治療(注射)
プラセンタエキスとは、ヒトの胎盤を原料としたエキスです。
初めは、週2回、3週間の注射をおこない効果判定をおこないます。
効果があった場合は、治療を継続します。

おおむね週1回のペースで通院される方が多いですが、通院頻度は患者様の体調や都合に合わせて適宜調整しています。
【長所】
治療効果が70%と高い。美肌効果がある。疲労にも効果がある。
【短所】

効果は高いですが、切れるのも早いので効果を維持するために、こまめな通院が必要。
プラセンタ治療を一度でも受けるとその後は献血できない。


以上のように、それぞれの治療法には長所と短所があります。

どれが一番良いかは人それぞれで、一概には言えません。
それぞれの治療内容の特徴を理解して、ご自身のライフスタイルに合った方法を選びましょう。
まずはご興味のある治療法から始められるとよいと思います。